Blues' notes

ロンドンの青いフットボールクラブ、チェルシーの試合やニュースについて思うままに書いてます

第2節 vsアーセナル(H)

[試合結果]

チェルシー 3 - 2 アーセナル

ペドロ 9'             ムヒタリアン 37'

モラタ 20'           イウォビ 41'

アロンソ 81'

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[評価]

ケパ 5

アスピリクエタ 6

リュディガー 5.5

ダビド・ルイス 5.5

マルコス・アロンソ 7.5

ジョルジーニョ 7

カンテ 7

バークリー 6.5 → コバチッチ 7

ペドロ 7

モラタ 7 → ジルー 5

ウィリアン 6.5 → アザール 7

 

サッリ監督 6.5

 

MOM マルコス・アロンソ

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ケパ 5

ディフェンスがフリーで打たせ過ぎたとはいえ、2度しか無かった見せ場で両方シュートに触りながらも失点を喫した。

オバメヤン、ラムジーのグラウンダーのシュートをこぼしたシーンも危険だった。

 

アスピリクエタ 6

モラタとのホットライン復活か?

素晴らしい裏へのロブでアシスト。

1失点目のイウォビのドリブルへの対応は若干弱かった気も。

2失点目も大外から来るイウォビにつききれなかった。

 

リュディガー 5.5

失点に彼の非は無いとはいえ、ボールウォッチャーになるシーンが多かった。

ロングボールの精度も五分五分。

 

ダビド・ルイス 5.5

持ち運びとパスは文句なし。

しかし上がったアロンソの裏のカバーが全くできておらず、マークとラインの統率もお粗末だった。

自分が行くべき所を他人任せにしてしまう場面もあった。

 

マルコス・アロンソ 7.5 MOM

ルイスとの間と背後を常に狙われていた中で、臆さず攻撃参加を続けたことが勝利に繋がった。

ボールを持った敵との一対一では良い対応が目立っていたが、前節同様に裏を取られるシーンは多かった。しかしSBで1G1A、常に左サイドの崩しの起点になっていた彼はMOMに値すると思う。

 

ジョルジーニョ 7

2失点目の対応が無ければMOMだった。

敵の守備意識の低さにより自由が与えられ決定的なパスを連発。

裏に走る選手を絶対に見逃さない視野の広さとそこに正確にパスを通すテクニックはもはや人外の域。

味方ディフェンスの前のスペースのカバーが疎かになっていたが、まだ守備戦術が敷かれてないのである程度仕方ない部分はあったと思う。

 

カンテ 7

裏への飛び出しとボール扱いのセンスで既に攻撃でも重要なピースになっている。

相手のディフェンスラインと駆け引きするカンテを見るのは新鮮だった。笑

 

バークリー 6.5

1失点目のパスミスは痛恨だったが、惜しいシュートも放ち、左のウィリアンやアロンソとの崩しにも貢献した。 

 

ペドロ 7

アロンソの抜け出しに呼応して飛び出し、落ち着いて決めた先制点は鮮やか。

脚を攣りながらも最後までGKにプレスをかけ続けた。

 

モラタ 7

2点目の切り返しからの落ち着きと37分の強烈なシュートを見る限り、トップフォームに近づいて来ているのでは。

ポストプレーの弱さとパスの雑さはまだ改善の余地があり、後半途中にジルーのチャントが歌われるなどファンの不満も買った。

しかしCFとして最重要な得点という結果を残したことは彼の自信に繋がりそう。

 

ウィリアン 6.5

崩しの起点になりつつ、周りも活かすプレー選択は素晴らしかった。

バークリーとのワンツーで中に入っていき、大外のアロンソがオーバーラップする形は相手に脅威を与えた。

1失点目のボールロストは痛かった。

 

 

コバチッチ 7

単純にサッカーがうまい選手。

決定的な仕事はなかったものの技術の高さは見せた。

タックル、パス、デュエルの勝率がいずれも100%と才能に疑いの余地は無い。

 

ジルー 5

2回の決定機を両方外し、追いつかれていたら戦犯になりかねなかった。

 

アザール 7

ラカゼットの緩慢な守備対応を見逃さず縦に仕掛けて決勝点をアシスト。

彼が持つと相手はファールをせずにはボールが取れないため、試合に出るだけで存在感のある選手になってきている。

 

サッリ監督 6.5

前半の20〜30分までは圧倒的な試合を展開し、2点目が入った頃には楽勝ムードが漂っていた。

しかし前半の終盤にかけて、サイドを抉られてからのマイナスのクロスで立て続けにピンチを招き2失点。

オバメヤンとムヒタリアンが決めていれば5点分くらい、全く同じ形から決定機を作られてしまった。

後半はパスの出所を潰しに行くことでピンチは減ったが、CBの裏、CBとSBの裏、エリア内の守備には課題を残した。

途中投入したアザールが決定的な仕事をしたのは高評価。

 

 

[総評]

序盤は見事なパスワークで敵に全くボールを渡さない、シティのようなサッカーを展開。圧勝かと思いましたが途中からはヒヤヒヤさせられました。

 

失点シーン含め明らかな課題となったクロスへの対応は、やはり役割が明確化されていないことが原因です。中の人数はいるのにポッカリと空いたスペースができてしまっていました。

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(BBC)

 

数的有利でのクロスへの対応の場合、

大きく分けて

① 中の敵のマークに着きつづけて自由を奪う役割

② 新たに入ってくる敵の侵入に備える役割

③ 戻ってきてスペースを埋める役割

の3つの役割があります。

 

2失点目は、②の役割を担うカンテとアスピリクエタがイウォビを甘く見たこと、③の役割であるはずのアンカーのジョルジーニョがサイドへの対応で釣り出されてしまったこと、が原因です。

 

後者は試合を通して気になりました。

31分のムヒタリアンのシュートシーンはカンテがサイドの対応に行き、バイタルがポッカリと空いていました。

 

これらのシーンに共通するのは敵のアタッカーとSBのマッチアップに、CBのフォローがいないことです。

本来であればマークを受け渡してディフェンスラインがボールサイドにズレるべき場面で、MFの選手がSBのフォローに行っています。

それによって本来MFの選手がカバーするバイタルエリアが空いてしまっていたのではないかと分析しました。

 

また、そもそもサイドチェンジされた時のズレが遅いです。

下の画像でわかる通り、相手から見て左から右へのサイドチェンジで、鈍足のアロンソと俊足のベジェリンの不利な一対一が簡単に作られてしまいます。

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(BBC)

 

パスワークの安定感とボールロスト時の切り替え(ネガティブトランジション)、インサイドハーフ(IH)の裏への飛び出しによる攻撃の多彩化は、昨季から比べて凄く良くなった点だと言えます。

 

しかしディフェンス面においてはまだまだ改善の余地があるでしょう。

 

相手のアーセナルも同様にまだ試行錯誤の状態でした。

シティやリバプールなど既に完成度の高いチームに序盤で当たらないことが本当にラッキーだと思います。

 

次節は昨季終盤0-3と屈辱の完敗を喫したニューカッスル

ラファ・ベニテス監督仕込みの強固な守備をどう崩すか、日本人としては武藤嘉紀にも注目したい面白い一戦になりそうです。

 

[最後に]

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