Blues' notes

ロンドンの青いフットボールクラブ、チェルシーの試合やニュースについて思うままに書いてます

チェルシー用語集①

チェルサポやその周りで使われる用語を紹介。最近ファンになった人も、古参も楽しめるよう、メジャーからマニアックなとこまで。


まずはクラブの基本事項と、歴史上の重要人物を軽く紹介します。

 


チェルシーFC 

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イングランドプレミアリーグ(EPL)に所属するフットボールクラブ。本拠地は西ロンドンにあるスタンフォード・ブリッジ。チームカラーは青で、愛称はブルーズ。

1905年に創設され、2003年にアブラモビッチが買収するまでは中堅クラブだったが、以降は豊富な資金力によりスター選手を獲得。2004-05シーズンに50年ぶりのリーグ優勝で100周年を祝うと、モウリーニョアンチェロッティら名監督に引き上げられ、一躍ヨーロッパ有数のビッグクラブへと成長を遂げた。

 

2011-12シーズンに悲願のチャンピオンズリーグ(CL)初優勝。さらに20-21シーズンにもトゥヘル・マジックで2度目の制覇を達成。

現在までにプレミアリーグを5回、FA杯を8回、CLを1回、ヨーロッパリーグ(EL)を2回制している。

 

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ロンドン南西のChelsea地区は、1684年にRoyal Hospital Chelseaという退役軍人用の王立病院が建てられて以降、高級住宅街として富裕層に好まれた。アガサ・クリスティジョニー・デップマーガレット・サッチャーなどの著名人も居住。

 

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創立当初のクラブのロゴはこの病院に由来している。また、現在のエンブレムにも残っているライオンは、チェルシー地区の開発に尽力したカドガン伯爵家(Earl Cadogan)の紋章から取られたと言われている。

 

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労働者階級のスポーツとして広まったフットボールのファンにとって、このような高級地区に本拠を置くブルーズは憎き存在である。2000年代にオイルマネーで成り上がった背景もあり、国内では完全にヒール扱い(ユナイテッド、リバプールが圧倒的に人気)。

 

最近ではプレミア中にお金が行き渡り、特にシティなどが莫大な資金を投下しているため、チェルシーが批判される機会は減少傾向。それでもロンドン以外の街でチェルシーのユニを来て出歩くと確実に絡まれるくらいには嫌われている。

だが、そのヒール感が魅力でもある。

 

スタンフォード・ブリッジ

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チェルシーの本拠地。最寄り駅はFulham Broadway。1905年当時この地を買い取ったミアーズ兄弟は、フラムに売る予定だったが、破談になったのでチェルシーが創設された。収容人数は41633人とビッグクラブにしてはかなり少ない。改築案が出ているものの、周辺住民との交渉が難航し平行線。

また、プレミア屈指の煽りチャントで知られる。筆者は小学生時代、酒持ち込み禁止のファミリー席で何度も観戦したが、そこでもFワードが飛び交っていたことは未だに父親とよく話題に上る。

 

 

 

ロマン・アブラモビッチ

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油さんと呼ばれるロシアの大富豪。03年にクラブを買収した後はスター選手を大量に獲得してチームを一躍ビッグクラブに仕立て上げた。

以前はよくスタンドで観戦している姿が写されていたが、ロシアのスパイ事件から派生したビザの問題により、現在は入国できない状態が続いている。

それでもコロナ禍においては、スタジアム併設ホテルの貸し出しなどの事前活動、選手やスタッフの給料100%保証などの神対応を見せた。

最近では100億円越えの名画、ムンク「叫び」を購入し話題に。

実は彼の影響からロシアではチェルシーの人気は非常に高い。モスクワで行われた07-08のCL決勝では客のほとんどがチェルシー側だったと言われている。

 

 

 

ジョゼ・モウリーニョ

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03-04シーズンにポルトの監督として衝撃のCL優勝。翌年チェルシーの監督になると、2度に渡り監督を務めた間に3度のリーグ優勝をもたらし、黄金期を築いたカリスマ。

特筆すべきは堅守の構築で、04-05は38試合15失点。シティやリバプールがリーグの様々な記録を塗り替えた今も、この記録は破られていない。

就任会見での「I am Special One.」に始まり、アーセナルの監督、ベンゲルに対して放った「失敗のスペシャリスト」など数多くの名言を生み出している。

パーソナリティの強い彼は度々選手やフロントとの軋轢を生み、3年目に解任されるのが定番化。しかし、調子が良い時は公の場で選手を擁護し、守備と運動量を改善した選手には絶大な信頼を置くため、多くの選手と良い関係を築いていることも忘れてはならない。

 

 

 

フランク・ランパード

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2001年から14年にかけて活躍し、監督としても帰還したファンのアイドル。MFながら凄まじい得点力を持ち、クラブ歴代最多得点記録、プレミアリーグ10年連続2桁得点などの大記録を打ち立てた。

バイエルン戦の反転ループシュートや、リバプール戦の涙のPKなどが有名。ロンドン生まれの彼はとても頭が良く、発音も綺麗なのでインタビューが非常にわかりやすく、面白い。

19-20から監督を務め、若手の積極起用を進め、未来の希望・マウントにキャプテンマークを託した後にトゥヘルへバトンを引き継いだ。

愛称はランプス。筆者が初めてサンタさんにユニフォームをもらった選手で、永遠のアイドル。

Super Super Flank, Super Super Flank, Super Surer Flank, Super Flankie Lampard!!のチャントはスタンフォードブリッジで頻繁に歌われる。

 

 

 

 

ジョン・テリー

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通称JT。17歳でデビューし、長年にわたりキャプテンを務めたユースの最高傑作。04-05にはCBながらリーグの最優秀選手に選ばれ、そこから4年間はFIFPro年間最優秀選手に輝くなど、堅守と言われたチェルシーの守備の要として活躍した。彼の力でスタンフォード・ブリッジは「要塞」となる。

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2000年代の彼は正に世界一のCBだった。

 

16-17最終節サンダーランド戦で、背番号にちなんで26分にピッチを後にする際には、相手サポーター、選手からも拍手が贈られた。

長年クラブを支えた偉大なキャプテンの退団によってアブラモビッチ体制における第一章が終幕し、チェルシーは新たな時代に突入した。

 

 

 

ディディエ・ドログバ

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強靭なフィジカルと勝負強さを武器に得点を量産したアフリカの英雄。2度のプレミアの得点王に輝いた他、とにかくビッグマッチに強く、数多くのカップ戦決勝でゴールを決めた。

特に11-12のCL決勝では0-1で絶体絶命だった88分に値千金の同点弾。さらにはPK戦で最後のキッカーとしてPKを沈め、クラブを悲願のCL初優勝に導いた。

エバートン戦のボレーなど、あまりにも理不尽で笑ってしまうゴールばかりなのでプレー集も見応え抜群である。

 

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タミー・エイブラハムも彼を参考にしていると話し、同じパフォーマンスをしている。

 

 

 

ペトル・チェフ

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試合中の接触で頭部を負傷して以降、トレードマークのヘッドギアをつけて試合に臨んでいた元チェコ代表GK。リーグで1025分間連続無失点という意味のわからない記録を持っている。素晴らしい反応と読み、コーチング力があり、カシージャスブッフォンらと共に00年代のGK世界一の座を競い合った。

11-12シーズンのCLでは決勝のPKストップに代表される神懸り的なセーブでチームを救い優勝に貢献。クラブの真のレジェンドに。

晩年にはアーセナルに移籍し、キャリアの最後にEL決勝の舞台でチェルシーと対戦。引退後はチェルシーのアドバイザーに就任している。

趣味のドラマもかなりの腕前で、他言語を話せる完璧人間。

 

 

 

アシュリー・コール

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ボールコントロール、スピード、対人守備力、クロス精度など全てにおいて能力値の高い、プレミア歴代最高のLSB。無敗優勝にも貢献したアーセナルからチェルシーへの移籍時は"Cash"ley Coleと罵られたが、その決断の正しさはその後の2クラブの結果が証明した。

彼が抜けた後のLSBは常に補強ポジションになっている通り、あまりにも絶対的な存在。

全盛期はエースキラーと呼ばれ、激しいマークと対人守備により相手のWGに何も仕事をさせない試合が多かった。C・ロナウドも18年に、対戦した中で最もタフだったのはアシュリー・コールだと語っている。

 

 

 

エデン・アザール

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ミドルネームはマイケル。2012年に「CL優勝チームに移籍する」と発言した後、チェルシーに加入。以後、圧倒的なドリブルと決定力を武器にほぼ独力でチームを牽引した。ビッグマッチに強く、アンフィールドですらも彼の庭。

どんなに劣勢な試合でも、彼の魔法によってなぜか勝ち点を拾ってしまうため、戦術アザール、エデン神などと崇められた。

18-19のEL優勝を置き土産に、自身のアイドルであるジダン率いるレアル・マドリーに移籍。退団後もチェルサポは彼の怪我の動向などを逐一チェックし、寂しくなるとプレー集を見る。円満に別れた恋人のような存在だ。

 

 

 

デニス・ワイズ

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1990〜2001年にかけてチェルシーで活躍し、キャプテンを務めたMF。98-99には当時のクラブ最高位である3位でクラブ初のCL出場に導いた。

翌年、CLの舞台で当時世界最強チームACミランと対戦。その本拠地、サン・シーロで素晴らしいトラップから同点弾を決めた。

この時の活躍はチャントになり現在も頻繁に歌われるため、彼の実際のプレーを見たことのないファンでも誰もが名前は知っている偉大な存在である。

 

https://m.youtube.com/watch?v=BtZCGaIh0aI

こちらがそのゴールとチャント。

 

 

 

ルート・フリット

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1987年にバロンドールを受賞し、ミランやオランダ代表で活躍した選手。キャリア晩年の95年に加入しリベロとしてプレーした。

グレン・ホドル監督がイングランド代表監督に就任すると、プレイヤーマネージャーとしてジャンルカ・ヴィアリジャンフランコ・ゾラ、ロベルト・ディ・マテオなどをイタリア方面のコネクションで獲得。96-97には27年ぶりのFA杯のタイトルもたらした。

後のクラブのレジェンド達を引き抜いたという意味でも大きな功績を残した人物である。

 

 

 

ジャンフランコ・ゾラ

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まだ優勝候補になる前のチェルシーで最も愛された「サルデーニャの魔法使い」。魔法のような足技とPK並みに決まるFK、ノールックパスやヒールトリックなどでブリッジを沸かせた。

1997-98のCWC決勝のシュツットガルト戦、鼠蹊部を痛めており69分に途中出場した彼が、その僅か20秒後に決勝点を突き刺したのは今もなお語り継がれている。

https://m.youtube.com/watch?v=dNI6gekZ09Y&feature=youtu.be

 

サポーターからはランパード、テリーと並ぶ人気を誇る。彼の退団後、背番号25を背負った選手はおらず、実質的な、そして唯一の永久欠番となっている。

サッリ監督下では中間管理職として苦労していた。

 

 

 

・マリナ・グラノフスカイア

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チェルシーの、オーナーを除いた実質的なトップ。戦力外の選手をありえない程の高額で売却するため、マリナ様、マリナ神などと崇められるようになった売りオペのスペシャリスト。

かなりの美人で、獲得発表や契約延長時は選手とのツーショットが定番である。EL優勝後、アザールに無邪気に抱きつくのが映された以外は、ほぼ動いている姿は見られないミステリアスな存在。

なぜかイケメンばかり連れてくるため、ルカクチェンバレンは顔専で弾かれたのかと邪推してしまう(失礼)。ちなみに筆者はこれまで批判されてきた数々の移籍に関しては当時のSD、マイケル・エメナロが悪かったのでは?と思っている。

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エメナロはチェルシーのSD退任後はモナコへ。アンリ監督を招聘したものの、降格権まで順位を落として解任された。

 

 

次回はネタ編予定してます。

それでは。