第8節 vsサウサンプトン(A)
試合結果
アザール 30'
バークリー 57'
モラタ 93'
3rdユニお披露目となった試合。途中からほぼチェルシーのワンサイドゲームになると、バークリーが1G1Aと躍動し悩めるモラタにもゴールが生まれました。終盤に訪れたピンチはケパのビッグセーブで凌ぎきり、クリーンシートも達成。アウェーにも関わらず充実した試合内容でした。
この試合でもう一人、1G1Aを記録したアザールは代表ウィーク明けに9月の月間最優秀選手に選ばれ、会見ではレアル・マドリード移籍に関して「チェルシーとの関係が悪くなるような事は絶対にしない。クラブの意思を尊重する。移籍しても残留しても僕はハッピーだ。」とコメントしサポーターを泣かせました。
試合のレビューをするのを完全に忘れていましたが、選手評価だけはメモに残っていたのでそのまま記しておきます。
選手評価
ケパ 7.5
アスピリクエタ 6
リュディガー 6.5
ダビド・ルイス 7
アロンソ 6
ジョルジーニョ 6.5
カンテ 6
ウィリアン 6.5 → ペドロ 6
ジルー 7 → モラタ 6.5
アザール 8
MOM ロス・バークリー
第7節 vsリバプール(H)
試合結果
5勝1分のチェルシーがホームで開幕6連勝のリバプールを迎えたプレミアリーグの趨勢を左右する大一番。
絶好調エデン・アザールの先制点を途中出場のダニエル・スタリッジがスーパーミドルでキャンセルし、1-1のドロー決着に。
試合後の両監督の表情を見ても痛み分けというよりは双方引かずと言った試合内容で、今シーズン屈指の好ゲームになりました。
試合後に握手を交わす両監督(Getty Images)
前半主導権を握ったのはリバプール。ボール奪取後の凄まじい縦への推進力で、何度もアタッキングサードへ侵入します。しかし徐々にリバプールのハイプレスに慣れたチェルシーがペースを握り、素晴らしいパスワークからアザールが抜け出して先制。ファンは興奮を爆発させ、エデンチャントとジェラードチャントをここぞとばかりに歌いまくります。
クロップを悩ませたのはサラーのコンディション不良。フィニッシュとラストパスに精彩を欠いたエースは後半途中にシャキリに代わりピッチを去りました。
試合を通してお互いに決定機を作るもなかなかゴールが生まれません。リバプールの二度の決定機はチェルシーのCB2人がそれぞれ水際でクリア。最大のチャンスはシャキリが棒に振りました。チェルシーにはアザールに追加点のチャンスが訪れるものの、アリソンの好セーブに阻まれ実らず。ウィリアンも3度抜け出しますが、いずれもネットは揺らせません。
すると終了間際、途中出場のダニエル・スタリッジが左ハーフスペースからシュート。好セーブを見せていたケパの伸ばした手を僅かに超え、美しい軌道でネットに吸い込まれました。そしてそのまま試合は終了。最後の最後で追い付かれたチェルシーとしては「勝ち点2を失った」という見方もできますが、リバプールが押していた試合展開の中で最終的にドローは悪くない結果だと思っています。
何よりこのレベルのインテンシティの中でサッリ監督のサッカーがピッチ上で表現され、完成度で先を行くリバプールと互角に渡り合えたことに対するファンとメディアの評価は高く、開幕前に予想されたシティとリバプールの優勝争いにチェルシーが加わることを裏付けた一戦になりました。
選手評価
ケパ 7
アスピリクエタ 6.5
リュディガー 7.5
ダビド・ルイス 8.5
マルコス・アロンソ 6
カンテ 6.5
ジョルジーニョ 7
コバチッチ 7.5 → バークリー 5
ウィリアン 7 → モーゼス 5.5
ジルー 5.5 → モラタ 6
アザール 8
マウリツィオ・サッリ 6.5
MOM ダビド・ルイス
ケパ 7
足元とキック制度の高さを終始見せつけ、58分のマネの決定機ではビッグセーブでチームを救った。失点はスタリッジを褒めるべきだろう。
アスピリクエタ 6.5
最近は調子の上がらないキャプテンも今日は奮闘。実はアスピのプレス耐性は半端ないと昨季から思っていたが、今日も細かい繋ぎやクリアの判断などはほぼ完璧だった。
リュディガー 7.5
21分のサラーのシュートをカバーし失点を防ぐ。アンカーへのコースを切られても落ち着いたフィードで逃げ、ボールを失わなかった。フィルミーノとマネもかなり抑えられていただけに、理不尽な失点後の「こんなん無理やろ」的な顔には同情するしかない。
https://twitter.com/btsportfootball/status/1046103961978187778?s=21
ダビド・ルイス 8.5
ディフェンスながら今日のピッチ上ではファン・ダイクと並び圧倒的な存在感を放った。クロスへの対応、早めの潰し、ディレイ守備などの仕事をほぼ完璧にこなし、後半にはフィルミーノのヘディングを間一髪でクリア。ウィリアンへの2度の決定的なスルーパスやプレスに臆さない繋ぎなど、攻撃面での貢献も大きくサッリに起用される理由を自らのプレーで証明した。
マルコス・アロンソ 6
同サイドにサラーがいる上にフィルミーノが流れることも多く、必然的に守備に追われる時間が長くなった。自慢の攻め上がりは自重していたが、一対一でサラーやアーノルドに振り切られることも無く集中を保った。
カンテ 6.5
ピンチ時のカバーリングやインターセプトはいつも通り言うことなし。圧倒的な運動量でこぼれ玉を回収し、3人の中盤でカバーするリバプールの戦術を破壊した。奪った後の繋ぎで取り返されたりパス回しの中で詰まる場面がまだ散見されるので、プレス耐性を身に付けたい。
ジョルジーニョ 7
CSのシティ戦で「強豪相手には通用しない」とも言った他サポは息をしているのだろうか。前半20分にしてリバプールのプレスをものともしなくなったマエストロは、相手の詰めをヒラヒラといなし試合を掌握した。
コバチッチ 7.5
テンポ良いパスさばき、圧倒的なキープ力に正確なアシストと持ち味を存分に発揮。アザールが戻らない時はカバーに入っていたため疲弊したが、後半途中までは輝きを放った。
ウィリアン 7
昨季は少なかった裏への飛び出しやダイアゴナルランでチャンスを演出。守備にも奔走しロバートソンになかなか仕事をさせず。代名詞のエラシコも。
ジルー 5.5
この日はタッチ数わずか18回。仕事をさせてもらえなかったが、体を張ったプレーと献身的な守備で貢献。ジルーが悪いというよりはそれに競り勝つファンダイクが凄かったという評価をしたい。
バークリー 5
試合に入りきれず致命的なロストも。
モーゼス 5.5
かなり走っていたウィリアンに代わり守備と推進力を期待されたモーゼスだが、ビッグチャンスで落ち着けずドリブルのキレも無かった。
モラタ 6
ジルーが機能せず早めの交代となったものの、相手の守備の集中力が切れずモラタにもチャンスは無かった。スライディングまで行う守備で最低限の働きをした。
マウリツィオ・サッリ 6.5
交代選手が流れを引き寄せられず裏目に出てしまったがそれは結果論。ジルーを早めにモラタに代えた判断や、とりわけ守備で走っていた2人を運動量が担保されている選手に交代した意図は良かった。なによりここまで早い段階でリバプールと互角に渡り合うという望外の内容にはファンも満足しているだろう。
感想
やっぱり球出しできる選手が多いと強いなぁと思った試合でした。昨季は閉塞感で押し潰されそうな試合が多々ありましたが、今季は繋ぎが安心して見られます。コバチッチ、ジョルジーニョ 、ケパの獲得とルイスの復帰は本当に大きい。そして前節振るわなかったアザールも未だ絶好調となると、サッリ含めチームもそろそろリーグ優勝争いは意識し始めたはずです。もちろん過度な期待は禁物だけど希望を持たずにはいられない、そんなチームをたった2ヶ月で作ってくれたサッリの仕事は賞賛に値するでしょう。後はとにかく同等以下の相手に堅実に勝ち点を積み重ねてほしい。
リバプール戦を経て強豪相手の戦い方も示したサッリ。そのサッカーを簡単にまとめると
守備:
①ハイプレスでロングボールを蹴らせて回収。CBの強さとこぼれ球を拾うカンテの運動量が要。
②プレスをかわされたらリトリートで主に4-4-2の守備ブロックを形成。その際右WGが2ライン目に吸収される。バックパスに対しては中盤が出て行き、相手がGKまで戻したら一気に押し上げる。
攻撃:
①後ろから繋ぎ、敵を引き付けつつテンポ良くパスを回す。その際はGKも繋ぎに参加し両SBは大外まで開く。またIHと右WGが積極的に裏を狙い、そこにCBと中盤からロングボールを供給する。これにより敵の守備を広げる。
②アザールには自由を与える。彼やコバチッチ、CBがハーフスペースへ持ち上がることによって敵を集める。
①②を繰り返すことで敵のブロックに綻びを生むと同時に、内外両方をケアする必要が出てくるためCBとSBの間が開く。そこにスルーパスを供給する。
③押し込んだ時にはペナルティエリア内に張ったCFとのワンツーや囮の動きを利用して打開する。
他にも細かい約束事や攻撃パターンもありますが、よく目につくのはこんな感じでしょうか。これが通じなくなった時にどうアップデートしていくか。コンテはそれができなかっただけにサッリの手腕が試されます。
ランパード、ルイス、アケ、ルカク、デ・ブライネ、サラーそしてスタリッジ。元所属選手に決められる悪い伝統(?)はそろそろ払拭してほしいです。リーグカップでランパード率いるダービーに負けたらもう、ね…。
それはそうと、ランパード監督はチェルシー側にメイソン・マウントとフィカヨ・トモリという2人のレンタル選手の出場を打診したそうです。本来チェルシーからのレンタル選手はイングランド国内のコンペティションではチェルシー戦に出られない契約になっているはず。しかしマウントはチームの中心選手でなおかつ舞台はリーグカップということもあります。そしてあのランパードの頼みとなると恐らくフロントは断らないんじゃないかと思います。ファンとしてもマウントやトモリのプレーは見たいですし、彼らもスタンフォードブリッジでのプレーには燃えるはず。フロントが快諾することを願っています。
さて、次はELヴィデオトン戦。風邪を引いたので生観戦は無理そうですが心の中で応援します。
第6節 vsウエストハム(A)
試合結果
選手評価
ケパ 6.5
アスピリクエタ 5
リュディガー 7 → ケーヒル 6
ルイス 6.5
アロンソ 5
カンテ 5.5
ジョルジーニョ 6
コバチッチ 6 → バークリー 6.5
ウィリアン 6
ジルー 5 → モラタ 4.5
アザール 4
サッリ監督 5.5
MOM アントニオ・リュディガー
ケパ 6.5
前半の決定機を膝でブロックしたシーンは低調だったチームを救った
アスピリクエタ 5
クロスはほぼ相手に当たってコーナーへ
簡単に入れ替わられたりとらしくないプレーが目立った
リュディガー 7.5
今日もチームNO1のパフォーマンス
対角のアロンソにつけるロブの質は秀逸で、ジルー、ウィリアンへの一つ飛ばしのパスも多く出していた
守備では抜かれたら終わりのカウンターの場面でアントニオに勝ったシーンがハイライト
怪我が心配だが、監督の会見では週末のPLのリバプール戦には間に合いそう
ルイス 6.5
軽率なプレーは少なく空中戦もかなりの勝率で悪くはなかった
いつもの大胆なフィードが無かった印象
アロンソ 5
攻撃にアクセントをつけられず
アザールの不調に引っ張られたのか、コンビネーションやインナーラップのタイミングも微妙だった
カンテ 5.5
前に出て行く回数自体は多いもののチャンスメイクには貢献できず
チームの中では1番逃げのパスが多かったと思う
ジョルジーニョ 6
中盤以降をガチガチに固められパスカットされる場面が目立った
敵のカウンター時に剥がされてフィルターになれない点でプレミアへの適応が必要
コバチッチ 6
序盤は剥がすドリブルと運ぶドリブルがかなり効いていたが、後半は横パスを繰り返し印象が薄くなった
ウィリアン 6
前半は鳴りを潜めた積極的な仕掛けが後半の最後に立て続けに見られ、何度もファールをゲット
1番得点の匂いを感じさせたものの最大の決定機を枠外に逸らしてしまった
ジルー 5
効果的な落としはできず、後半序盤に交代した
アザール 4
コバチッチ、ルイスらと共にロンドンに残っていたがおそらくチームで1番低調だった
体のキレが無くボールを持つとほぼロストしていた
仕掛ける場面が少なく、肝心の場面でモラタにシュートを譲るなど今季これまでのような積極性が見られなかった
ケーヒル 6
急な交代にもかかわらず目立ったミスも無く試合を終えた
冬の移籍の噂を認めているものの文句を言わず仕事を全うした姿勢を評価したい
バークリー 6.5
それまでほとんど無かったミドルでビッグチャンスを演出
それまでのコバチッチの仕事もきちんとこなしていた
モラタ 4.5
またもチャンスを決められず
ファビアンスキの顔に当たるのは不運とも言えるが、その他のクロスに対するディフェンスとの駆け引きもイマイチだった
サッリ監督 5.5
機能していなかったジルーを切り、モラタを早めに入れたのはその時点では良い判断だった
アザールとウィリアンのポジションチェンジもある程度活路が開けたが、結果的に得点は奪えなかった
感想
今季最もチームとして低調な試合だったと思います。とにかくアザールのコンディションが悪く、中盤からジルーに対しても良いボールが入りませんでした。敵のカウンター時には中盤がぶち抜かれて3-2の状況が作られることも幾度かあり、決定機の数で言えば相手の方が多かったでしょう。ヤルモレンコのフリーヘッダーが決まらなかったことだけが不幸中の幸いです。
ロンドンのライバルとの対戦時には相手のモチベーションが高く、スタジアムの雰囲気も飛び抜けてアウェーになります。低調なチェルシーに対してウエストハムは特に中を固めたブロックを作ってきました。ジョルジーニョやリュディガーといったパスの出しどころをフリーにする分、アザールとジルー、ウィリアンに対しては2人で対応してきたことで中盤の創造性が試されましたが、カンテとコバチッチからは状況を打開するプレーは生まれませんでした。
サイドからの攻撃はアロンソとアスピリクエタのクロス精度が低く、肝心のジルーが合わせるシーンはほぼありませんでした。カンテを前に上がらせてペナルティエリアの中に入れるのであれば抉ってからマイナスのクロスか、アーリー気味のクロスのこぼれ球を狙うなどした方が良かったではないでしょうか。
前半の一定の時間帯はこぼれ球を拾い続けて攻撃回数を増やしていましたが疲労の影響か、パスミスやドリブルを簡単に取られるシーンからカウンターを喰らい徐々に相手とスタジアムの雰囲気を"ノらせて"しまいました。
全体としてお互いに決定機の少ない試合でしたが、ケパとファビアンスキのセーブ、モラタ、ウィリアンとヤルモレンコの決定機逸なども含めて0-0は妥当な結果だったと思います。
リバプールは6連勝、シティとスパーズもCLでの敗戦から立て直してきたことでSNS上ではサポーターにも焦りが見られました。もちろん私も画面の前で頭を抱えましたし、去年のシティと同じペースでシティやリバプールが勝ち続け優勝チームの勝ち点が90を超えてくるとなると、強豪以外との試合は一つも落とせないというのはわかります。しかしここまで5連勝がむしろ出来過ぎ。リバプール戦前に、まだ作り始めたばかりのチームだという自分たちの立場を再確認する良い機会になったと思っています。
まずはミッドウィークのリバプール戦を見てサッリ監督が相手のサッカーをどう研究、対策し週末の大一番に望むか。
リバプール戦は結果はどうあれ今季のプレミアリーグここまでで最も面白い試合になると思っています。
チームの完成度に差は有りますがチェルシーの勝利を信じて応援します
C'mon Chelsea!!
ということで、編集に少し力を入れました。今後も改善していかねば、、、
EL 第1節 vsPAOK(A)
[試合結果]
ウィリアン 7'
ケパ 6
ザッパコスタ 6
リュディガー 7.5
クリステンセン 6.5
カンテ 6
ジョルジーニョ 6.5 → ファブレガス 6
バークリー 7
ペドロ 6.5
モラタ 5 → ジルー 6
ウィリアン 7.5
サッリ監督 5.5
MOM アントニオ・リュディガー
ケパ 6
特に危ないシーンはなく、攻め込まれた最後の10分を冷静に締めた
ザッパコスタ 6
WGで使われた時のような積極性が見たかったが、可もなく不可もないプレーに終わった
リュディガー 7.5 MOM
正確な楔のパスを何本も通し、攻撃のスイッチに。先制点もそこから生まれた
今季のパフォーマンサはサポーターからも絶賛されており、完全に一皮向けた感がある
クリステンセン 6.5
ライン統率は優れていた
ボールコントロールや判断も危なげなく、ルイスにプレッシャーを与える出来
アロンソ 6.5
攻撃参加は冴え、裏のスペースを突かれることもほぼなかった
切り返しまでは完璧だったシュートチャンスを決めていれば文句なし
カンテ 6
相手が相手だったのでいつもより見せ場はなかったが、敵の嫌がるスペースに顔を出す動きは徐々に良くなっているように感じる
ジョルジーニョ 6.5
浮き玉になった落としを正確に処理して、先制点の起点に
バークリー 7
スペースへのフリーランは回数、タイミング共に素晴らしかった
彼の3人目の動き出しから引き付けてウィリアンへラストパス、先制点を生んだ
ペドロ 7
GKのファインセーブに遭ったカットインシュートや、果敢なプレスから奪ってチャンスメイクしたシーンなどELでもPL同様の強度を保っていた
接触による怪我が長引かないといいが…
モラタ 5
シュート7本で枠内はゼロ。なかなか2点目が取れない大きな原因になってしまった
ポストプレーや体のキレは悪くないが、結果が出せないと好調のジルーに序列で負けてしまうのもやむを得ないか
ウィリアン 7.5
敵のSBにとっては悪夢だっただろう
何度もドリブルで引き剥がして決定機を演出した
機を見た抜け出しから先制点
サッリ 5.5
正直もう少し大胆なターンオーバーをしても良かったのでは
カンテ、ウィリアン、ペドロはもう少し休ませたかった
*80分で寝落ちしました。
控え選手に関しては特に良かった悪かったという情報は無いので6とします。
[感想]
私は前節で述べたように若手の起用に期待していましたが、比較的堅いメンバーで臨んだEL初戦。
ギリシャというかなり離れた敵地。そして相手は熱狂的なサポーターが多いクラブとして知られるPAOKだけに、監督の慎重な選手起用は理解できます。
発煙筒が焚かれるPAOKの本拠地STADIO TOUMBAS
若手がのびのびとプレーできるホームではしっかりと使ってほしいです。特にオドイとアンパドゥはトップチームでのプレーで萎縮するような選手ではなさそうですから
試合は終始チェルシーが支配するも、7分の先制点以降はなかなか追加点が生まれませんでした。
個人のパフォーマンスで触れるならば、まずは2人のCBでしょう。出色のパフォーマンスだったリュディガーと、ルイスに比べチャレンジングなパスは少ないもののカバーリングやボールタッチに安定感のあったクリステンセンは共に素晴らしい出来でした。
逆に悪かったのはモラタ。
前節のペドロのように彼の日ではなかったと言いたいところですが、シュート7本で枠内ゼロはCFとしては致命的。特に彼はこの試合だけでなく昨季から決定力不足を指摘され続けています。ジルーがポストプレーヤーとして強みを見せつけている中で今日のパフォーマンスは彼の立場を悪化させるものになってしまったと思います。
個人的にモラタについて
なぜ足でのシュートが決まらないのか、思ったことを書きます。あくまで1年と少し見たイメージですが…
1. シュート前のボールの置き所が悪い
少し遠かったり近すぎたりすることが多いです
2. GKの位置を見ない
PAOK戦で言えば19分手前のシュートシーン。ニアの高めがかなり空いているがファーに蹴って外しています
3. GKとの距離感を詰めすぎる
余裕があるときは2の例とは逆にGKを何度も見てしまい、シュートコースが無くなることが多いです
例として印象的なのは、昨季CLアウェーのアトレティコ戦後半、アザールのロングパスからオブラクとの1対1を右に外すシーンです
4. 当てれば良い場面で足を振る
これはクロスへのアプローチ。
ワンタッチゴールが上手い選手は低いクロスボールをインサイドの面で当てて流し込みます。(ケイン、ロナウドなど)
速いボールは勢いを殺すように沈めます。(ジェズスが得意なプレー)
しかしモラタは足を振ってふかすことが多いです。
これらはあくまでイメージ。データなどは無いですし他にも原因はあります。とにかく彼が改善点に気づき、メンタル面でも自信をつけることが大切です。
サッリ監督にとってELがどのような位置付けなのかはわかりませんが、過酷なPLで4位以内に入れなかった保険としても少なくとも決勝まで勝ち進むのは至上命題です。その中で若手の起用も期待するというのはサポーターのわがままかもしれませんが、プレシーズンの若手2人のプレーにはそれだけファンの心を掴むものがありました。
彼らを途中出場からでもプレーさせるためには、スタメンの選手たちが早く試合を決めることも必要です。
そういった面で今日、追加点がなかなか取れず最後は若干押し込まれる時間があったというのは監督からすれば期待通りではなかったはず。
接戦をものにするためにも、決定力にはこだわってほしいと改めて感じる試合でした。
日曜にはロンドンでウエストハム戦。日程的にも相手がロンドンのチームという意味でも苦しいですが、休みをもらったアザールらの活躍に期待です
第5節 vsカーディフ(H)
[試合結果]
アザール 37' バンバ 16'
アザール 43'
アザール 80' (P)
ウィリアン 83'
[選手評価]
ケパ 6
アスピリクエタ 6.5
リュディガー 7
ルイス 5.5
アロンソ 6
カンテ 7.5
ジョルジーニョ 6
コバチッチ 7 → バークリー 5.5
ペドロ 7 →ウィリアン 7.5
ジルー 8
アザール 9 → ザッパコスタ 6
サッリ監督 6
MOM エデン・アザール
ケパ 6
チェルシーに来て初めてのファインセーブを見せてくれた
構えも少し落ち着いてきた
アスピリクエタ 6.5
今日はクロスの質が高かった
対人守備の面で、彼のサイドからの個人突破を防ぐ守備の要になっている
リュディガー 7
ここ数試合、両足で精度の高いスルーパスを付けられる重要なピースに
ジョルジーニョが厳しくマークされた分、リュディガーからのパス出しは局面を打開するのに大きな役割を果たした
ルイス 5.5
ペナ内での寄せの甘さから際どいシュートを打たれたり簡単に入れ替わられたりと、守備の面で不安定
パスの面で貢献しているがアンパドゥ、クリステンセンのアピール次第では取って代わられそうなパフォーマンスだった
アロンソ 6
攻撃参加とアザール、コバチッチが運ぶスペースを空ける動きは相変わらず効いていた
カンテ 7.5
今日は昨年のようなあらゆるところに顔を出してボールを刈り取るカンテが見ることができた
CKの後の相手のカウンター時に画面外から走ってきてボールを攫っていく姿には思わずにやけてしまう
ジョルジーニョ 6
完全にチェルシーの心臓として警戒されているためマークは試合ごとにきつくなっているが、その中でもワンタッチで回す巧さは光っていた
身体を当てられた時のバランスや、溢れた五分五分のボールを拾う球際の強さには改善の余地がある
コバチッチ 7
失点後に立て続けに抜け出して決定機を演出。決められなかったが、GKエザリッチの飛び出しを褒めるべきだろう
ジョルジーニョがマークされたことで彼の縦のドリブルコースが空き、左のハーフスペースを攻略していた
ペドロ 7
幾度もあった決定機を決められなかったが彼の日ではなかったというだけ
ペドロだから作れたチャンスも多く、ネガティブな内容ではなかった
ジルー 8
アザールが最高のターゲットマンと絶賛したように、素晴らしいワンタッチの落としから2得点を演出
ケパのキックに対してほぼ競り勝っていた
敵のプレスを引き付け、ケパからジルーの落とし→アザール、ペドロのドリブルというシンプルな攻撃がデザインされていた
アザール 9
何も言うことはない
プレミアの月間最優秀選手はほぼ決まったと思っている、笑
バークリー 5.5
コバチッチが抜けて明らかにパス回しのテンポが落ちた
味方のスペースやパスコースを空けるオフザボールの動きを身につけてほしい
ウィリアン 7.5
1Gと個人技でのPK奪取。途中出場の選手としては文句のつけようがない出来
WGの起用に関しては、16/17シーズンのように良い意味で監督を悩ませていると思う
ザッパコスタ 6
試合に入った際のモチベーションが高く、ELでは先発で見たいと思わせてくれた
個人的にはSBの控えとしてはトップクラスだと思っているし、先発を勝ち取れるポテンシャルもあると思うのでPAOK戦に期待
サッリ 6
試合の入り方は悪かったが、失点後は最後まで支配し続け、攻撃の手を緩めなかった
[感想]
昇格組の中では目立った補強もなく、断トツの降格候補筆頭として挙げられているカーディフと開幕4連勝中のチェルシーがホームで対戦。余裕がプレーにも出たのか、唯一失点の匂いがしたセットプレーで先制されてしまいました。
しかしそこからチームが目を覚まし、アザール、コバチッチ、ジルーの関係から左サイドを立て続けに崩します。コバチッチやペドロが決定機を決めきれない時間帯が終わり、停滞感に焦り始めた時にリュディガーの鋭い縦パスからジルーの落としを上手くトラップしたアザールが、冷静に逆サイドネットに流し込み同点。直後にFKの素早いリスタートからまたもジルー→アザールで逆転し、ここからは完全に試合をコントロールしました。
気になったのはバークリーの動き。コバチッチが軽い怪我で負傷交代した後、目に見えてパス回しのテンポが悪くなったのは彼のポジショニングの悪さが原因です。味方と被ったりパスコースを塞いでしまっているシーンが散見されました。
アザールのハットトリックに加え、途中出場のウィリアン、ザッパコスタが活躍したのはチームにとってかなりプラスだと思います。特に短い時間でしたがザッパコスタのWG起用は個人的にはモーゼスよりも良いのでは…?と感じました。
次節のウエストハムに勝って6連勝しリバプールとの首位決戦に弾みをつけたいところ
そしてELは若手の起用や控え選手のコンディションを確認する意味でも楽しみな大会です。ハドソンオドイ、アンパドゥ、クリステンセンらの起用に期待しましょう。
第3節 vsニューカッスル(A)
[試合結果]
アザール(P) 76' ジョセウ 83'
OG 87'
[感想]
ホームにも関わらず5-4-1でバスを停め、ロンドンの個の力に攻撃を託す割り切った戦術を敷いてきたニューカッスル。それに対し80%近いボールポゼッション率で試合を支配するチェルシー。主審の微妙な判定と相手の荒さも相まって非常にフラストレーションが溜まる試合になりました。
失点する雰囲気は無く、「いつ決めるか」が争点だっただけにPKでの先制点でサポーターは安堵したはず、、、
しかしその数分後、前節同様クロスから失点し再び地獄に突き落とされました。
これは勝ち点落としたか…と思った矢先にアロンソのシュートから生まれたOGで突き放し、なんとか勝ち点3をゲット。またも2ゴールに関わる活躍のアロンソは間違いなく今季のキーマンになりそうです。
[選手評価]
ケパ 5
アスピリクエタ 6
リュディガー 7
ダビド・ルイス 5
マルコス・アロンソ 7.5
カンテ 6.5
ジョルジーニョ 8
ペドロ 6 → ウィリアン 6
モラタ 6 → ジルー 6
アザール 8
サッリ監督 6
MOM ジョルジーニョ
ケパ 5
止めるのは難しかったが、失点シーン以外に相手の決定機がなかった
アスピリクエタ 6
常に集中していたし、前節に比べ攻撃への関与も増えた
リュディガー 7
守備の競り合いはほぼ完璧。
よく見ると大ピンチを未然に防ぐシーンが多い。
モラタ、アザールへの鋭いパス、バーに当たるシュートなど攻撃への意識も高かった。
ダビド・ルイス 5
失点時の対応は、ジルーへの肘打ちが見逃されたとは言え軽率過ぎた
マルコス・アロンソ 7.5
裏を取られるリスクがなく安心して攻撃参加できた中で2得点に関与。
インナーラップとキック精度は大きな強みになる。
レアル、アトレティコからの興味が報じられているが、放出するわけがない。
カンテ 6.5
守備負担が軽減されたため昨季よりも目立たなくなってはいるが、ボール奪取の巧さと運動量はこの試合も健在。
ミドルを打てれば…というシーンは多い
ジョルジーニョ 8
相手選手全員のパス数を1人で超える圧倒的な本数のパスを通した化け物。
自分がテレビ越しに俯瞰で見ていて、「出せる」と思った時にはもうスルーパスを出している。
味方へのコーチングで挟み込むなど、守備でもかなり効いていた。
公式のMOMはアザールだが、個人的にこの試合のジョルジーニョは凄かったと思う。
コバチッチ 7
ジョルジーニョのマークが分散しているのはやはりコバチッチからもパスを配給できるからというのが大きい。
彼が上がった後方で穴を埋める動きなども器用にこなしていた。
ペドロ 6
ペナ近くで打てる機会が少なかったので、34、35分に立て続けに来た決定機のどちらかは決めたかった。
モラタ 6.5
ポストプレーは良かったが、動き出しの少なさが目につく。
アザールやジョルジーニョが出してから寄ってくるシーンも多く、備えが足りない印象。
アザール 8
圧倒的なキープ力と打開力で、ジョルジーニョと並びピッチ上では次元の違うプレーを見せた。
これでもまだトップフォームではないと考えると恐ろしい。
バークリー 5.5
可もなく不可もなしという印象
ウィリアン 6
FKから決勝点を演出。
カウンターの意識も◯
ジルー 6
高さを活かした落としから決勝点
サッリ監督 6
アザールを交代させなかった判断は結果的に当たりだった。
守備を早く仕込んでほしい。
[総評]
プレミアでは勝ち目の薄い相手に対し5-4-1あるいは4-4-2で露骨に引いてくるチームが多く、そういった試合で勝ち切れるかが順位を左右します。
自分は格下に引かれた試合で閉塞感を感じる原因は裏抜けとミドルシュートの少なさだと考えています。
コンテの時よりも前線から降りてきて受けるプレーで相手のディフェンスに綻びを生む狙いは見えますが、ペドロとバークリー以外の選手の裏を狙う回数は依然として少ないです。
また、ミドルシュートが少なく、観客に「SHOOOOOT!!」と言われて初めて打つシーンが目立ちます。
長年エッシェン、ランパード、ラミレスらミドルの名手を見てきたサポーターが最も閉塞感を感じているポイントはこれだと思っています。
今いる選手でミドルが上手いのはペドロとルイスですが、インサイドハーフの選手が打てるようになると得点やCKが増えると思います。
次節はボーンマス。
エディ・ハウ監督はボールを持つチャレンジングなサッカーを志向していますが、チェルシー相手には流石にエースのカラム・ウィルソンを残して引いてくる可能性はあるでしょう。
その場合は今節と同じ構図。
しかし個人的にはチェルシーの守備の弱点を突いて真っ向勝負をしてくると思っています。
昨季はワトフォード、ボーンマスとの2連敗で崩壊したので今季はシーズンダブル決めてやりたいですね。