プレミアリーグ事件簿
今回は過去にプレミアリーグで起こった事件10選を紹介します。ファンの間ではよくネタにされることも、最近見始めた人には馴染みがないかもしれません。軽いものから大事件まで、気になった事件は調べてみてください。
1. カントナのカンフーキック(1995年)
1995年1月25日のクリスタルパレスとの一戦でユナイテッドの「キング」エリック・カントナが退場になると、去り際にヤジを飛ばした相手サポーターへカンフーキックを見舞わせた。FAから8ヶ月の出場停止処分が下り、仏代表キャプテンも剥奪。エースを失ったチームは2位でシーズンを終えた。
しかし、翌年に処分が明けると、ブランクを感じさせない活躍でリーグ優勝に貢献。さらに96/97には2連覇を果たし、30歳で現役を引退した。シーズンで50試合15ゴールを決めての引退はファンにとっては衝撃となった。
2. ロイ・キーン、悪魔の報復(2001年)
2001年4月21日のマンチェスターダービーにて、1997年の対戦時に自分を負傷させたことのあるアルフ・インゲ・ホーランに対し、ロイ・キーンは膝にスパイクを入れて報復。さらに、倒れ込む相手に罵声を浴びせた。
この怪我の影響で90分間のプレーが難しくなったホーランは2年後に31歳の若さで現役を退いた。今、飛ぶ鳥を落とす勢いの「怪物」ホーランの父親でもある。
https://www.youtube.com/watch?v=6nGkafx3-Ks
3. スアレス噛みつき事件(2013年)
2013年4月21日のチェルシー戦で、リバプールのルイス・スアレスがイバノビッチに噛みついた事件。実は初めてではなく、アヤックス時代にも噛みつきで退場になっており、この時は再犯。10試合の出場停止となるが、さらに翌年のW杯でもキエッリーニに噛みついて4ヶ月の出場停止となった。
ガーナ戦のハンド事件や奥さんとの一途な愛など、プレー以外でも話題に事欠かない男である。
https://www.youtube.com/watch?v=s4aYvyEjX4U
4. ショウクロス、涙の退場(2010年)
2010年2月27日のストークvsアーセナルの一戦で、ライアン・ショウクロスのタックルがアーロン・ラムジーの右足首に直撃。足が曲がってはいけない方向に曲がってしまう悲惨な光景を目の当たりにした選手たちは頭を抱えた。
アーセナルの選手は審判とショウクロスに詰め寄るが、心を痛めた彼は提示された赤のカードに従って涙を流しながらピッチを去った。彼のファウル後の態度や試合後の謝罪の言葉は非常に真摯なものであり、不慮の事故だとしてアーセナルサポーターからも同情の声が集まった。
5. パーデューのフラグ建築ダンス(2016年)
2016年5月21に行われたFA杯決勝。78分にパンチョンのゴールで先制したクリスタルパレスの監督、アラン・パーデューが謎のダンスを披露した。
しかし、81分にユナイテッドのファン・マタに決められて追い付かれると、延長で宇宙最高クラブユース出身の逸材ジェシー・リンガードに決勝点を許して逆転負け。「フラグ」だったとして各所でいじられることになった。海外サポのリプ欄では頻繁にGIFを見かけるが、日本では放映権の関係か、あまり覚えられていない一件である。
6. レッドカード対象誤認事件(2014年)
2014年3月24日のビッグロンドンダービーで、開始15分にエデン・アザールのシュートを故意のハンドでブロックしたオックスレイド=チェンバレンが退場、かと思いきや、チームメイトのキーラン・ギブスにレッドカードが提示された。
なんと、主審のアンドレ・マリナーが退場処分にする相手を間違えてしまったのだ。チェンバレンは「Ref, it was me.」と主張するも、判定は変わらず。試合はチェルシーが3-0で勝利。2日後に、FAからギブスの処分取り消しがアナウンスされ、マリナーは誤審だとして謝罪した。
VAR介入の4つの条件に「カードを出す対象を間違えた場合」が含まれているのには、この事件の影響が少なからずあったと思われる。
チェンバレンのリバプール移籍の際には、公式Twitterに「ギブスと間違えてないよな?」という趣旨のリプライが殺到した。
7. ピアニスト事件(2018年)
17/18シーズン冬の移籍市場を賑わせたアレクシス・サンチェスとヘンリク・ムヒタリアンのビッグトレードは1月22日に決着。ユナイテッド公式による獲得発表で、サンチェスはピアニストとして「夢の劇場」に降り立った。
しかし、伝統の7番を背負った大物は全く奮わず。翌年追われるようにインテルへ出向。プレミアでも5本の指に入るアタッカーだったサンチェスが、ユナイテッドでの公式戦45試合でわずか5ゴールという鳴かず飛ばずの成績で終わったのは衝撃であり、これ以降、公式発表でピアノを弾く演出は避けられるようになった。
今夏チェルシーに来たハフェルツもピアノを弾けるらしく、彼の犠牲者の1人である。ぶっちゃけ、他サポなので何度見ても滑稽過ぎて笑える。
8. ビーチボールゴール(2009年)
2019年10月17日のサンダーランドvsリバプールの一戦で、ダレン・ベントが放ったシュートが観客の投げ込んだビーチボールに当たり、軌道が変わってゴールに吸い込まれた事件。
この珍事には歴戦のGKマヌエル・レイナも、流石に反応できず。公式ルールに則るとゴールは無効となり、ドロップボールで試合再開となるはずだが、なんと主審はゴールを認めてしまった。
このボールはアウェイに駆けつけたゴール裏のKOPが投げ込んだものらしく、自業自得とも言える。この1点によりサンダーランドが1-0で勝利を収めたこともあり、当時はかなり話題になった。
9. 「彼は失敗のスペシャリストだ。」(2014年)
現在All Or Nothingで話題のジョゼ・モウリーニョがチェルシー監督時代、2014年バレンタインデーの記者会見でアーセン・ベンゲルに向けて放った名言。「私がチェルシーで8年間も無冠だったなら、即クラブを去って二度と戻ってこない」と続けた。
首位チェルシーと2位のアーセナルが1ポイント差という状況で、「彼は失敗を恐れている」とベンゲルが発言したことに応戦した形。結局このシーズンはチェルシーが優勝した。
しかし、ベンゲルの引退に際してはモウリーニョもアレックス・ファーガソンと共に笑顔で労いに訪れた。プライドの高い彼だからこそ出た名言であるが、心の中では無敗優勝も成し遂げた名監督をリスペクトしているのだろう。
10. アデバヨール全力疾走(2009年)
2009年9月12日、アーセナルからシティへの移籍直後の対戦で決勝点を決めたエマニュエル・アデバヨールが、ピッチを縦断して反対側のゴール裏に構える古巣サポを煽りに行った事件。
「裏切り者」とスタンドから言われ続けたことにイライラしていたせいか、この試合中の彼のスプリントよりも速いスピードを記録らしい。「最高で最悪」のパフォーマンスとしてこれからも語り継がれていくだろう。
まだまだたくさんあるので気が向いたらまた作ります。それでは。