Blues' notes

ロンドンの青いフットボールクラブ、チェルシーの試合やニュースについて思うままに書いてます

第13節 vsトッテナム(A)

チェルシー 1 - 3 スパーズ

ジルー  85'                       アリ 8'

                                        ケイン 16'

                                        ソン 54'

 

試合概要

代表ウィーク明けの週末、バルサアトレティコのリーガ首位決戦と並び注目の試合となったロンドンダービー。守備陣に複数の怪我人を抱えるスパーズに対しチェルシーは万全のメンバーが揃い、アウェーであることを差し引いても互角の戦いになると目されていました。

 

しかし試合が始まるとスパーズのハイプレスの前にチェルシーは何もできず、前半で2失点を喫し内容的にも圧倒されました。後半にも構図は変わらず、焦って前のめりになるチェルシーはボールロストからソン・フンミンに一人でカウンターを完結され、3-0となり試合は決しました。

 

最後に途中出場のジルーが慰めの一点を奪うもライバル相手に完敗した事実は優勝という目標が未だ遠いものであることをファンに突きつけ、サッリの手腕にも疑問の声が上がるなどチェルシーにとって苦い夜となりました。

 

スパーズのチェルシー対策はジョルジーニョに対するマークの徹底と3トップによるハイプレス。攻撃ではアロンソの裏を瞬足のソンが狙い、エリクセンの正確なセットプレーでチェルシーのマークの甘さを的確に突いてきました。中盤にはフィジカルに優れるムサ・シソコとダイアーを起用しコバチッチとジョルジーニョのフィジカル(特に当たりの弱さと瞬発力の無さ)を浮き彫りにさせました。彼らのドリブルとエリクセンのロングパスから始まるショートカウンターで幾度となく攻め込まれ、ディフェンスラインは終始ラインを下げ続けるだけでした。

 

選手評価

ケパ 5

アスピリクエタ 6

リュディガー 4.5

ダビド・ルイス 4

マルコス・アロンソ 4.5

カンテ 6.5

ジョルジーニョ 4

コバチッチ 4.5 → バークリー 5.5

ウィリアン 5 → ペドロ 5

モラタ 4.5 → ジルー 6.5

アザール 5.5

 

マウリツィオ・サッリ 4

 

MOM なし

 

ケパ 5

守備陣で唯一健闘したが、1点目と2点目どちらかは止めてほしかった。

 

アスピリクエタ 6

素早い寄せでインターセプトやトラップミスの誘発をしていた。ジルーのゴールをアシスト。

 

リュディガー 4.5

あまりにも簡単にマークを外していた。ロングフィードの精度も悪く、アザールの頭上を越えるパスが何度も。

 

ダビド・ルイス 4

戦犯と言われても仕方ない軽い守備が目立ち、特に3点目の対応は致命的だった。

 

マルコス・アロンソ 4.5

いつもの攻撃参加が見られず、逆に上がった裏を使われて失点した。

 

カンテ 6.5

新たに5年契約を結んだのはチームにとって朗報。中盤では何度もインターセプトを記録し孤軍奮闘していた。

 

ジョルジーニョ 4

完全にマーク対象になり、常にアリやソンにつかれていたことで切り替え時の守備やフィジカルの弱さが露呈。寄せられた時のパス精度は低く、そもそもほぼボールを触れなかった。ソンにぶっちぎられるなど彼の悪い面だけが出た試合だった。

 

コバチッチ 4.5

攻撃面で変化をつけられず。守備では特に出足の速いシソコやソンに何度も剥がされていた。

 

ウィリアン 5

目立ったシーンはシュートを打った一度だけ。右では中にカットインしても打てないので怖さがない。

 

モラタ 4.5

ポストプレーでは力になれず。そしてあまりにもオフサイドが多い。カウンター時の走るコースも悪かった。

 

アザール 5.5

キープ力は流石だったが、局面を打開するドリブルは鳴りを潜めた。

 

バークリー 5.5

フィジカル的な優位を活かしたドリブルなどは良かった。

 

ペドロ 5.5

ウィリアンに比べて動きは有ったが、ペナ角で持ったシーンは打ってほしかった。

 

ジルー 6.5

コンソレーションとはいえ、今季初ゴール。豪快なヘッドは気休めにはなった。

 

マウリツィオ・サッリ 4

ビルドアップも守備も完璧に対策されたが、それらは想定内だったはず。しかしHTでも何も策を講じぬまま宿敵の軍門に下ってしまった。

 

 

総評

完敗でした。特にソン・フンミンの3点目はもう笑うしかありませんでしたね。スパーズに負けた時はいつでも最悪な気分になりますが、今季はここまで無敗だっただけになおさらこたえました。

 

このままジョルジーニョのマークへの対応策と左サイドの裏のスペースのケア、ディフェンスのライン維持などの弱点を改善できないとトップ4も厳しくなりそうです。次の大一番は12月9日のシティ戦、この試合の内容と結果次第では今季もシティの独走態勢に歯止めをかけられずに屈してしまいかねません。この試合と前の数試合で浮き彫りになった弱点の改善に早急に着手することが必要です。

 

冬の補強に関してもCBとCFは明確な補強ポジションと言えるでしょう。ルイスの緩慢な守備は、如何に彼のロングフィードがハイプレスへの対抗策になるとは言え致命的です。それに変わるべきクリステンセンはELでルイスより上だと胸を張れるパフォーマンスを見せていませんし、ケーヒルは放出候補、アンパドゥも流石にシーズン通してレギュラーに置くのはまだ無理です。CFに関して、モラタは相変わらず強豪相手のポストプレーでは全く力になれませんし、雑魚狩りの安定感も無し。やはりシーズン20点が見込めるCFの獲得は今後3年を見据えるにしても必須でしょう。候補としてイカルディは間違いない選択肢ですが、レアル、バルサとの争奪戦が待っています。トリノのベロッティも能力には疑問が残り、噂に上がっているアルナウトビッチは流石に一段落ちると言わざるをえません。いずれにしても冬の補強はかなり難しそうです。

 

さて、個人的に今のチェルシーの選手を率いる上で大切な要素はコンディションの見極めだと思っています。ウィリアン、モラタ、ルイス、ロフタスチークなどの選手はパフォーマンスにムラがあり、試合開始から不調が目に見えてわかる時が多いです。逆にキレキレのウィリアンはほぼ止められません。彼らのコンディションを見極めてスタメンをいじることが凄く重要です。結果論ですが今日の試合もスタメンからジルーとペドロを出していたら攻撃がもう少し機能したかもしれません。また、中盤の選手にフィジカル自慢が多いチームが相手の時はバークリーをスタメンから使うべきでしょう。コバチッチは推進力のある選手には今日のようにカウンターでフィルターになることができません。ジョルジーニョをこのまま固定するなら、カンテが上がった時のカウンターのケアの問題も含めてバークリーがスタメンで出るべきだと思っています。とにかくサッリにはもう少し柔軟な戦術変更が求められます。

 

個人的には左で攻撃を作るなら右はペドロが良いと思います。ナポリカジェホンやシティのスターリングのように右の張った位置から中に侵入してくる動きができるのはペドロです。ウィリアンはどちらかといえば後半から出た方が局面を変えられるでしょう。

 

次のELのPAOK戦は消化試合です。完全にターンオーバーしてPLのフラム戦に備えてほしいところ。オドイやアンパドゥ、カバジェロも起用してほしいです。

 

学校が始まり、毎試合レビューするのは厳しいので今後はビッグマッチ中心にやっていきます。次はシティ戦かな。お楽しみに